不機嫌な王子 4

「何やってんの?」
俺は心臓が鳴っていた。全力で走っただけではないだろう。

「・・なにって、教室に戻るとこ・・・・?」
あいつは不思議な顔している。
そりゃ、そうだろう。いきなり廊下で、知らない男に声かけられたら。
知らない男・・・。なんか傷つくな・・・・・・


あいつは訝しみながら俺の横を通り過ぎようとした。
俺はあいつを離したくなくて、あいつの手首を咄嗟に掴んでいた。

「・・・・???あのーー?」
「何?」
「・・・・・・離してくれませんか?」

そう言われて、やっと俺はあいつの手首を掴んでいたことを知った。

「ん?・・・・あ?!なんだこれ!・・・・・・・・ごめん。離せないや。」
「??なんで・・ですか?」
「俺が離したくないから。」
「??????」

やべー。
なんで俺、手首掴んじゃってんだろ。
いや、俺から離れて行きそうだったしな。俺って上出来?
いやいや、何か話さないと、不審に思われてるぞ。

しかし、触ってしまった。今、触っている。
手首ほせー・・・・・・・

いやいやいや、会話会話会話・・・


「ね?俺のこと、知ってる?」
「・・・知らないです。」

あ。やっぱ知らないんだ。ショック・・・・・・。

「ね、俺ってどう?」
「はい?!」
「俺の顔どう?ブサイク?好みじゃない?」

“俺ってどう?”って・・・・・・・俺変態みたいじゃん。

「か、かっこいいと思いますけど・・。」
「かっこいい!?好み??!」

かっこいいって!
俺、かっこいいって!!

「こ・・・・好み・・・・・・?い、いや、好みとかって別に・・・」
「好き?!俺の顔!顔好き?!」

やべー。
止められねーよ。どんどん突っ走っちゃてるよ。

「え、す、好きとかいきなり言われても・・」
「嫌いじゃないよね!?」
「す、好きも嫌いも分かんないです・・・いきなりで・・・・」
「なんで!?俺がこんなにあんたん事好きなのに、あんたは違うの!?
 この俺が!俺は完璧な男なんだよ!!その俺が!俺が!!!
 あんたみたいな冴えなくて、とろくて、ダサ男なオタッキーのこと、好きなんだよ!
 お前みたいな超平凡な男を俺は好きになっちゃったんだよ!
 すげー愛しちゃってんだよ!!」

・・・・・・あ?
こいつ、顔真っ赤だぞ。

はは。かわいい・・・・・・。







・・・・・・・・・・・あ!?!
俺今何て言った?!



あ、あ、あい、愛しちゃってるとか言わなかった!?



愛!?

そうなのか!?!俺!!!!!!


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