きっかけ<華side>

「だー!!誰だよこんなとこにバナナなんか置いたの!!」
おれは盛大に転げた。
本当にこんなことってあるのか!?コントじゃんかよ…。
そして担任に頼まれたクラス全員分のノートを廊下にぶちまけた。

う〜面倒〜〜佐貴も来させればよかった

俺が拾い集めていたら、誰かが手伝ってくれた。

「あっすみません!大丈夫ですよ。俺1人でできますので。」
言ったが俺のことなんか無視して続けて手伝ってくれた。
「…ありがとうございます〜」
俺はノートを広いながら、手伝ってくれる人をチラッと見た。

あっ!!こいつはメチャメチャもててる奴じゃないか!バンドやってるとかって、学校外からももててる!
…確かに、かっこいい。男からみてもメチャかっこいいもんな。
しかも、黙って手伝ってくれるなんて、これはもてるだろう…。

こんな有名人に手伝ってもらっちゃって、俺って運いいな〜

「ど〜も、すみません〜〜。ありがとうございました〜〜」
うお!背高!顔整ってるな〜…
俺は目の前にいる彼を、こんな間近で見ることはもう無いと思い、マジマジと見てしまった。

何も言ってこないから、俺は礼をして彼から離れた。

なんだあいつ…何も言わないの〜。気取ってんのか〜?
俺は手伝ってくれたこともそこそこに、彼の態度に不満を持った。

「ぅわ!え!?」
後ろから肩を掴まれた。なんだと思ったらさっきの彼が俺の肩を掴んでいる。
そして、俺が両手で持っているノートの上に、紙切れを置いた。
「え?」
なんだこれ。俺なんか落としたっけ?
「…これ、観に来て。」
と言って、彼はその場を離れた。
「え?え!?…ちょっと!あの!!」
…何なんだ?
やっぱ、何にも言わず、彼は言ってしまった。
…俺、あいつと知り合いだったっけ?
……分かんね〜


「華。ご苦労さん〜。」
教室に着いて、教壇にノートを置いたら佐貴が話しかけてきた。
「ああ。重いっつーのー。途中落としたし。」
「それは、災難なこと。」
なんて、なんの感情もなしに言ってきた。
「何これ?」
ノートの束の上に置いてあった、紙切れを拾い上げた。
「ライブチケット?どうしたの?」
「…ライブチケットなの?なんかくれた。」
席に移動しながら話した。
「あー今日晴れてんのに〜。中庭で食べたかったな〜〜」
「これって、メイズのじゃん。ファンだった?」
「メイズ?何それ。…ほら、あいつ。あの、めっちゃもててる奴から貰ったんだよ。…あれだよ!あの異常にモテモテな…」
「う〜〜〜ん…異常にモテモテ…じゃあ、榊のことか?5組の。」
「そうそう!サカキ?うん。榊って奴だ!」
「榊から貰ったの?知り合いだった?…メイズメンバーから貰ったのか〜」
「いや、知り合いじゃないと思うけど…。つことは、榊って、そのチケットのバンドなの?」
「そゆこと。」
「何で、俺にくれたの?」
「んなの、知らねーよー。知らないうちに、あいつに何かやったんじゃん?」
佐貴は俺との受け答えに面倒になってきたようだ。
「…なあ、一緒に来てくんね〜?俺、ライブハウスなんて行ったことないしさ〜」
「はぁ〜?面倒…。まあ、あいつのバンドっての見てみるか。俺もライブハウス行ったこと無いしな〜」

「おい。俺にもヨーグルトくれ。」
「はいはい」




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